無人島からの脱出

　大嵐により船が難破し、気が付くと僕は無人島に流れ着いていた。
　幸いにも、この島には綺麗な川が流れていたため、飲み水には困らなかった。また、キノコや果物、海岸の浅瀬では貝や魚が簡単に取れるため、食糧にも困らなかった。
　しかし、だからといってろくな娯楽もないこの島で一生暮らす気には当然なれるはずもない。
　僕はこの島から脱出するため、イカダを作ろうと考えた。そのためにはまずイカダの材料を加工するための刃物が必要だ。僕はどこかに刃物が落ちていないか島中を探し回った。しかし、一向に刃物は見つからず、僕はイカダを作るのを諦めかけていた。
　その時、海の遠くの方にうっすらと船の影が見えた。
「おーい」
　僕は必死になって叫んだ。すると、僕の声に気付いてくれたようで船がこっちにやってきた。
　良かったー。あとは船の人に刃物を貸してもらってイカダを作れば、この島から脱出出来るかもしれないぞ。