転送屋さん2

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透き通った海。
雲一つない青い空。
日光を多量に受け、火照った熱い白い砂浜。

そんな砂浜から離れ、俺は沖の方まで泳いでいた。
しばらく泳いだ後、急な腹痛が襲ってきた。

このまま海の中でしてしまうか……いや、それは海を愛する者として恥ずべき行為だ。
我慢して陸の方へ戻るべきだ。
俺は、お腹に神経を集中しながら泳ぎ続けた。
そして、なんとか砂浜まで辿り着いたのだった。

お腹を抱えながら海の家の方へと向かうと、「転送屋」ののぼりが立っていた。
転送屋とは、あらゆるものをあらゆる場所へと瞬時に移動してくれるサービスだ。
ここでは、海で溺れた人を瞬時に移動し、救助するという役割を担っているらしい。
そんなことを考えている場合ではなかった。俺は海の家にあるお手洗いへと走った。

あれ、溺れているフリをすれば、もっと早くお手洗いに行けたんじゃなかろうか? ふと思ったが、もはやどうでもよくなった。
公開:18/05/29 00:43
更新:18/05/29 01:01

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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