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昼休み、話題のラーメン屋に行くとすごい行列だった。店の角、次の角と曲がるが、どこまで続いているか見えないほどの列だ。
こうまでして食べたくなる美味さなのか、これは食わねば。行列を逆に辿る。すごい、この街区に沿ってずっと並んでる。
列を遡り一巡りした。列は切れ目なく輪になっていた。
「あなた」
列のオジサンが言った。
「私、時間なくて。代わりに並びませんか」
「あ、はい」
空いた隙間に入り込む。後ろの人に会釈したが割り込みに怒る様子もない。それはそうか、この列には先頭も最後尾もないんだから。
列は少しずつ進む。しばらくするとラーメン屋の前まできた。空いている。列から出ればすぐに入れる。だが俺は列を出る気にはなれない。この列に並んでいればもっとすごい所に行き着くかもしれない。皆列を苦にせず期待に目を輝かせている。きっとすごいことになるぞ。
俺は込み上げる笑いをこらえ、自分の番が来るのを待った。
その他
公開:18/05/28 20:47

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