我慢大会・決勝戦

挑戦者の目の前に美味しそうな料理がずらりと並ぶ。それを前に３０分耐えることが出来れば優勝だ。
挑戦者は過去に同じ条件で２４時間、飲まず食わずを要求されたこともある。
決勝戦にしては楽なものだと思っていると、目の前に一人の男が現れた。
最近テレビでよく見るグルメ気取りのお笑い芸人だ。自らを美食王と名乗り、自分の名を出せば取材拒否の店も門戸を開くとよく話している。
「いや～、この料理！とても美味しそうですよね。そう！これも僕の名前を使って取り寄せたものです！今食べなきゃ一生後悔しますよ！」
挑戦者は顔をしかめた。
「ほらほら、見てくださいこの肉汁！僕のグルメ本・第１巻に書かれている最高級品ですよ！…うん！美味い！さすが僕が選んだ店だ！」
男は御託を並べ食べ始めた。そんな男に挑戦者は呟く。
「…うるせぇ…」
司会者が笛を鳴らした。
「残念！美食王のウザさに耐えられなかったようですね！失格です！」