隣人と僕

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僕の住むアパートに隣人が越してきた。
隣人は玄関の扉を閉める音がうるさく、夜中に大音量で音楽を流すので僕はイライラしていた。
アパートの前には駐車場がある。
隣人は車のドアを開け閉めするのも大きな音で、運転が荒くいつもクラクションを鳴らしている。
アパートの住人は隣人が怖くて何も言えない。もちろん僕も。
どうしたものか‥と悩んだ末、「隣人は大きな音を立てないと死んでしまう病気」と思うことにした。
それ以来、夜中に大音量の音楽が流れても早朝にクラクションの音で目覚めても「生きている証拠」と思えイライラしなくなった。
次第に僕は、病気の隣人が可哀想になり「一日でも長く隣人が生きられますように」と願うようになった。
扉が閉まる音が聞こえると「ありがとう」と呟き、クラクションが鳴るとカーテンを開けて一礼した。
しばらくして隣人は交通事故を起こし帰らぬ人となった。
僕の願いは叶わなかったようだ。
その他
公開:18/05/29 19:00

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