遊泳禁止

日本国内にある、有名な海水浴場が突如遊泳禁止となった。地元の人々はその実態を知る為、現地へと調査へ向かった。

「あんなに人が集まっていたのに・・・」

青い海を眺めながら、和男は呟いた。さざ波の音が優しく、そして時に強く心に響く。

「国が突如禁止令を出した」
「確かに昨年大規模な津波が押し寄せ、被害があったが・・・観光地として、復興に努めてきたのに」
「国がする事はいつも不服だな」

人々が意見を交換する中、和男はゆっくりと海に足をつけた。遊泳禁止という事は何か危険生物がいるのか・・・

思案していると突如、足先から泡がぶくぶくと溢れてきた。それは段々と大きくなり、人々もそれに気付いた。そして・・・

「わき腹をくすぐるのはやめてくれ。く、くしゃみが・・・ヘックション！」

太陽を覆い隠すほどの大波が来た。その後彼らの行方を知る者は誰もいない。