硝子の鳥

6
31

ある日、カラスは神に祈ります。
「ぼくは人間と仲良くなりたい。この黒い醜い体をどうにかしてください」
神は応えました。
「うむ、ではお前の体を綺麗な硝子に変えてやろう」
その日を境に、カラスは「硝子の鳥」として生まれ変わりました──。

「まァ、なんて綺麗な鳥でしょう」
「まるで宝石のようだ」
人々はその美しい姿を賞讃し、人間と仲良くなった硝子の鳥も幸せな日々を送りました。

一方、同じカラス仲間の評判はあまりよくありません。
「人間にすり寄りやがった」
「裏切り者め!」
と散々です。
なかには「金儲けの道具になりますよ」と、悪い人間をそそのかすカラスもいました。さっそく硝子の鳥を捕獲しようと空気銃で撃ち落とす人間が現れます。
しかしガラス製の体は脆く、カラスはバラバラに砕け散ってしまいました。

その後、砕けた破片は裕福な人間に買い取られ、綺麗な窓ガラスになって飾られているそうです──。
ファンタジー
公開:18/05/27 15:49
更新:18/06/09 19:41

渋谷獏( 東京 )

渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。
https://twitter.com/ShaTapirus

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容