神さまの遊戯場

1
112

ヒマを持て余していた神は、自分の話し相手の人間を作っていました──。

「あとは知恵の実を喰わせれば完成じゃ」
泥の形を整えている所へ蛇がやって来ました。
「主よ、私と賭けをしませんか?」
「なんじゃ」
蛇はズルそうな顔で続けます。
「私が人間を誘惑して、知恵の実を喰わせる事ができれば私の勝ちです」
神も賭け事は大好きなので、すぐに承知しました。
エデンの園という遊戯場を作り、その中央に知恵の樹を植えました。
人間たちには絶対に食べてはならんと言い聞かせ、ゲームの開始です。
まず蛇は、甘い物に目がない「女」を陥落しました。
あとは芋づる式、真面目なアダムでしたが、
「食べてくれたら、もっとすんごいデザートを用意してるわよ」
という、イブの誘惑にはイチコロでした。

その後、神は人間に罰を与える形でエデンを追放しますが、本当は遊戯場を広げて、蛇とまだ賭けの続きをやっているという噂です──。
SF
公開:18/05/27 03:37
更新:18/09/17 18:29

渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
https://twitter.com/ShaTapirus
https://www.instagram.com/tapirus_sha/
http://tapirus-sha.com/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容