歩きスマホの反乱

｢歩きスマホ」が流行っているらしい。
ところが飼い主のマナーがひどく、深刻な社会問題にもなっている。
本来、紐をつけて公園などを一緒に散歩するために作られたものだが、混み合った場所での歩行や、首輪を外してスマホに自由歩行をさせる等の迷惑行為が横行している。
駅のホームでスマホに噛み付かれ、驚いたお婆さんが電車にはねられたという事故は新聞の一面を飾った。
新しい「歩きスマホ」が続々と販売される一方、持ち主に捨てられる「野良スマホ」も後をたたなかった。大抵のスマホはGPS機能で主人の元へ帰ろうとするのだが、自動車などの事故や雨による漏電で短い一生を終えた。

しかし一番の問題は、｢野良スマホ」の数が増え続けている事だった。
電信柱から直接充電する知恵を持った奴が現れ、そいつを中心にスマホ達が徒党を組み始めている様子だ。
彼らに「反乱の炎」を感じるのが、私の気のせいであればよいのだが──。