スイッチ

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目を開く。
ぼけたフィルターはすぐに外れ、視界がはっきりとする。
目の前には百ほどある頭。
そうだ、今自分は、大講堂のステージに立っているのだ。

…しかし、人数多いな。
考えても止まらない。

司会の女性が打ち合わせ通りの言葉を発しているのを聞き流し、小さく踵を2回鳴らす。
後ろに組んだ手を組み直す。
つま先に視線を下ろし、2回まばたきをする。
司会の言葉が終わると同時に組んだ手を解けば、百ほどあった頭は全てかぼちゃになっているのだ。

「ただいまご紹介に預かりました」

今日も自分はかぼちゃに向かって講義をする。
その他
公開:18/05/28 08:59

どーみや

空に煌めく星を優しい声で包んでいる空間が好きな者。
他愛ない日常を書き留めておきたい。

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