夕暮れの街

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夕暮れの街を何となく歩いていた。
私の人生も、何となく過ぎていた。
過ぎていく日々に、特別なことはあまりなかった。
下を見て、トボトボと歩く。

『は』
地面に大きく文字が書かれていた。
子どものいたずらだろうか。

『ず』
歩を進めると、またもや文字が現れた。
『は』の次に『ず』。
次の文字は、あれだろうな。

『れ』
さらに道を行くと、三文字目が現れた。
『はずれ』
やはりな。
きっと、子どものいたずらだろう。

地面から顔を上げると、私は街のはずれまで来ていることに気が付いた。
空を見上げると綺麗な夕焼けだ。
オレンジ色に染められた雲が綺麗な文字を描いていた。

『はずれ』

『はずれ』に導かれて、街のはずれで『はずれ』を見る。
こんな経験は『あたり』といっていいのではないかな。
青春
公開:18/05/28 00:51
更新:18/05/28 01:50

undoodnu( カントー地方 )

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