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旦那の不倫が発覚して数日後。
朝、洗面台から戻ってきた旦那が額を撫でながら首を傾げていた。
「なんやこれ。額に変なもんついてんで」
見ると確かに。旦那の額の真ん中にスイッチがくっついている。
「取れへん。今日の収録どないしようかな」
旦那はこれでも人気の芸人だ。確かにこんな顔でテレビには出られないだろう。
思い出した。確かテレビで見たことがある。
「あなた、それスイッチ病よ」
「何やそれ?」
「突然発症してスイッチが生えてくる病気。スイッチを押したらショックで死んじゃう事もあるんだって」
旦那が驚いたように額から手を離した。
「あかんやん!」
「よそで女を作った罰ね。いい気味だわ。私が押してあげよっか」
「なにすんねん!」
「冗談よ」
私が押したら後味が悪いじゃない。
…そうだ。
「あなた、よく聞いて。スイッチを押さないでね。絶対に押しちゃダメよ」
考えるより早く旦那の手が反応して――。
朝、洗面台から戻ってきた旦那が額を撫でながら首を傾げていた。
「なんやこれ。額に変なもんついてんで」
見ると確かに。旦那の額の真ん中にスイッチがくっついている。
「取れへん。今日の収録どないしようかな」
旦那はこれでも人気の芸人だ。確かにこんな顔でテレビには出られないだろう。
思い出した。確かテレビで見たことがある。
「あなた、それスイッチ病よ」
「何やそれ?」
「突然発症してスイッチが生えてくる病気。スイッチを押したらショックで死んじゃう事もあるんだって」
旦那が驚いたように額から手を離した。
「あかんやん!」
「よそで女を作った罰ね。いい気味だわ。私が押してあげよっか」
「なにすんねん!」
「冗談よ」
私が押したら後味が悪いじゃない。
…そうだ。
「あなた、よく聞いて。スイッチを押さないでね。絶対に押しちゃダメよ」
考えるより早く旦那の手が反応して――。
ファンタジー
公開:18/05/25 22:21
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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