海のキャラメル
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青色のそれをなめると海だった。
長方形の箱がテーブルの上に置いてある。先週出て行った彼女のものだろう。
彼女はもう戻ってこないだろう、と想いを断ち切るつもりで箱を開けた。
ピカピカ光る青いキャラメルを僕は初めて見た。
僕は滅多に甘いものを食べないが、宝石みたいなそれを口に入れる。
「甘い」とか「やわらかい」とか「おいしい」とか、そんな感想ではない。
「海」だった。
口に入れた瞬間、キャラメルは溶けて海水になる。口の中ではリズムよく波が打って心地よい。
海水なのに何故かしょっぱい訳ではない。
でも確かに海だった。
そういえば彼女は海が好きだった。
付き合い始めた頃はよく海へ行った。
同棲して二年。随分海へ行っていないことに今更気付く。
箱の中のキャラメルはあと五つ。
このキャラメルがある限り彼女のそばにいられる気がして、心の拠り所になるだろう。
僕はもう一つ、キャラメルを口に入れる。
長方形の箱がテーブルの上に置いてある。先週出て行った彼女のものだろう。
彼女はもう戻ってこないだろう、と想いを断ち切るつもりで箱を開けた。
ピカピカ光る青いキャラメルを僕は初めて見た。
僕は滅多に甘いものを食べないが、宝石みたいなそれを口に入れる。
「甘い」とか「やわらかい」とか「おいしい」とか、そんな感想ではない。
「海」だった。
口に入れた瞬間、キャラメルは溶けて海水になる。口の中ではリズムよく波が打って心地よい。
海水なのに何故かしょっぱい訳ではない。
でも確かに海だった。
そういえば彼女は海が好きだった。
付き合い始めた頃はよく海へ行った。
同棲して二年。随分海へ行っていないことに今更気付く。
箱の中のキャラメルはあと五つ。
このキャラメルがある限り彼女のそばにいられる気がして、心の拠り所になるだろう。
僕はもう一つ、キャラメルを口に入れる。
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公開:18/05/25 20:38
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