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「家に帰りたいねぇ」
おばあちゃんが久しぶりにそんな言葉をぽつりと漏らした。
施設に入所して4年ほどたつだろうか。今では足腰がすっかり弱まり、生活する上で全面的な介助が必要なため帰宅することは現実的に厳しい。
それでもおばあちゃんはわが家を恋しがり、帰れる日を夢見ている。
「帰って何がしたい?」
「お父さんが家にいるからね、お父さんの身の回りの世話をしてあげたい。」
自分の身体が衰えてもいつも誰かを心配している。
その瞳の奥がキラキラ光る。
瞳の奥は心の入り口。愛情が宿る場所だ。
家に帰っても、そこにおじちゃんの姿はない。
他界してもう3年ほど経つがおばあちゃんはおじいちゃんが亡くなったことを知らない。
それでも。
生きていることを信じ、
心の糧として日々を生きている。
その姿は美しく、勇敢だ。
神さま、この願いを届けてくれますか?
おばあちゃんが久しぶりにそんな言葉をぽつりと漏らした。
施設に入所して4年ほどたつだろうか。今では足腰がすっかり弱まり、生活する上で全面的な介助が必要なため帰宅することは現実的に厳しい。
それでもおばあちゃんはわが家を恋しがり、帰れる日を夢見ている。
「帰って何がしたい?」
「お父さんが家にいるからね、お父さんの身の回りの世話をしてあげたい。」
自分の身体が衰えてもいつも誰かを心配している。
その瞳の奥がキラキラ光る。
瞳の奥は心の入り口。愛情が宿る場所だ。
家に帰っても、そこにおじちゃんの姿はない。
他界してもう3年ほど経つがおばあちゃんはおじいちゃんが亡くなったことを知らない。
それでも。
生きていることを信じ、
心の糧として日々を生きている。
その姿は美しく、勇敢だ。
神さま、この願いを届けてくれますか?
その他
公開:18/05/25 20:31
透明な声。日々温めている思いを誰かに手渡したくてショートショートを書いています。
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