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「お前の娘は預かった。返して欲しくば一千万円用意しろ」
「何?娘は、娘は無事なのか?」
「今、声を聞かせてやろう」
「パパ」
「楓」
「パパ、お金は絶対払っちゃダメ!私のことは気にしないで」
「お前は大事な一人娘だ!大丈夫、絶対助けてやるからな」
「違うのパパ!この誘拐犯、物凄く私のタイプなの!私一目惚れしたの!」
「なんだって?」
「私もう39歳だよ。パパも結婚しなさいっていつも口を酸っぱくして言っているじゃない。私、この人少しでも長く居たい!だから絶対にお金なんて払っちゃダメ!私の幸せを願うのなら、二人きりの時間をもっと過ごさせて」
「そうはいっても誘拐犯だぞ!?」
「大丈夫。この人ものすごく世話焼きで優しいの。将来的に私が仕事して彼が家事をする。だからお願い!」
「…話はすんだか?」
「ああ…身代金は払わない。しかしご祝儀というのなら払うことにしよう。これからも娘のことを宜しく頼む」
公開:18/05/25 18:27

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