彼女と海

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彼女は泳ぐことができない。
それがコンプレックスだった。
当然プールは大の苦手。
海へ行けば、海水をたらふく飲んで溺れてしまう。

「ああ、私も泳げたらなあ……」
彼女はパソコンを見ながらそう呟くと、画面から声がした。
「そんなに泳いでみたいの?」
「はい、とても」
「じゃあ、手を伸ばして」
「手を……? こうですか?」
彼女が画面に手を伸ばすと、そのまま中へズルリと引き込まれていった。
「ここがネットの海です。ここなら思う存分泳げるよ」
「わあ、ここなら思う存分泳げるのかあ。平泳ぎしたい!」
彼女は手と足を動かすが、ほとんど前に進まず、泳いでいる状態とはいえない。
「あ……あなた、スペックが低過ぎて、泳げないみたい」

彼女は失意の中、画面の中から出てきた。
「こんな時は、ヤケ酒するしかない」
彼女はお酒を取り出し、飲み始めた。
ペースがすごく速い。
どうやら彼女、酒にも溺れるようだ。
その他
公開:18/05/26 04:17

undoodnu( カントー地方 )

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