連続小説 三つの願い

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どうだい、面白い話だろ。えっ、その後、どうなったかって。その答えはお客様のご想像にお任せします。さて、そろそろカステリーナ城が見えてきますよ。わぁ~、なんて美しいお城。それに何て広大なの。お客様、そうは仰いますが、昔はもっと広かったのです。見渡す限り、全ての大地が我がカステリーナ国の所有物でした。けれども、女王が無駄な争いは避けようと同盟を繰り返した結果、今の様な中立国になったのです。あれっ、あの紋章は・・・。お客様、お気づきになりましたか。あれはカステリーナ国の紋章、キャットエンブレムです。えっへん。昔、女王の窮地を助けた黒猫に何が欲しいかと女王が尋ねたところ黒猫はこう言ったのです。お金も、伯爵の地位も要りません。ただ、一つ願いが叶うならば私を象った紋章を作って頂きたい。あなたの国の紋章は呪われているから。ほお、あなたは謙虚な猫ですね。恐れながら女王様、煙と猫は高い所が好きなだけです。
公開:18/05/24 11:28
更新:18/05/24 11:44

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