きょうという日

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「何故外に出ようとしないんだい?」
先生、僕は外に出るのが怖いんです。
「みんな君のことを待ってるよ?」
外の世界で上手く生きていけるでしょうか?
「お父さんもお母さんも、君に会いたがってる」
自分の足で歩いていけるようになるでしょうか?
「世界は愛で溢れているんだよ」
先生、僕の声聞こえてますか?
「さあ、早く出ておいで?」
あぁ、こんな誰にも振り向いてもらえない世界なんて、生まれてこなければよかった。


「馬鹿なこと言っちゃいけないよ」
…先生、僕の声聞こえてるんですか?
「そういうことは一度生まれてから言うもんだ」


そして僕は闇を抜け出して外に出た。何故だか涙が止まらなかった。


世界にとっては何気ない365日のうちの1日だけど、僕にとって今日という日は特別な日だ。
その他
公開:18/05/24 22:31
更新:18/05/24 22:32

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