連続小説 三つの願い

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元々、私はあなたとの結婚には乗り気ではなかったのです。それではなぜ、私と結婚したのです。単純な事です。あなたが私の求めている権力、財力をその手に持っていたからですよ。俺が上へ伸し上がるためにはそれがどうしても必要だった。まあ、正直に言えば親の命令に従ったのです。言うなれば私自身が我が国から国王への同盟と忠誠を示す貢ぎ物だった訳です。私も結局は捨て駒の一つです。でも、これはこれで便利でしたよ。あなたを上手く操縦すれば私の望みが大抵、叶いますからね。そんな理由でもない限り誰が好き好んであなたの様な傲慢な女性と結婚などするでしょうか。まさか、あなたの元に白馬の王子でも現れたとでも思っていましたか。あれは全てあなたを欺くための芝居だったのです。そうそう、あの時、あなたを襲った輩も私が金で雇いました。あなたはそんな事も気付かず私を側に置いたのです。滑稽ですね。だからあなたは世間知らずだと言うのです。
公開:18/05/23 19:13

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