連続小説 三つの願い

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マーサ様、今から話す事はご内密にお願いします。これは偶然、私が酒場で聞いた話です。何でもこの城の中には王家の者を抹殺し、我が物にしようとする輩がいるらしいのです。それが誰なのか、どれほどの数なのか、詳細が掴めていません。ですから、今、ここで私が黒騎士である事を明かす訳にはいかないのです。私の事は秘密にして下さい。分かったわ。有難う。君なら分かってくれると信じていたよ。その代わり、お願いを聞いてくれますか。何だい。私の額に誓いの証を下さい。えっ。勿論、分かっています。あなたが心からお慕いしているのはサーヤ姉様だと言う事は。仮初でも良いのです。私にあなたの誠意を見せて下さい。分かった。さあ、目を瞑って。チュッ。黒騎士様、あなたとの約束は絶対守ります。ああ、なぜ、あなたの心はそんなにまでお姉様一途なの。少しくらい心変わりしてくれても良いのに。今生が駄目でも来世ではあなたの妃としてお会いしたいわ。
公開:18/05/23 19:06

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