連続小説 三つの願い
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ほお、あの者の手に月のオルゴールが渡ったか。運命の悪戯とは本当に恐ろしいものだ。因縁の相手に渡ってしまうのだからな。それにしても神は罪な事をする。ふっ、まあ、神にとって人間など戯れに作った玩具に過ぎぬのだろう。いくら救いを求めても結局は、生かすも殺すも神の御心次第。我ら闇に生きし者が言うのも憚るが神の無邪気さは時に吐き気がする。それに比べれば我らが崇拝し、魔王様の何と優しき事か。我らに堕落と言う果実を与え給う。我らが欲するは知識。日々、知識を満たす事こそ我が糧となる。知識は追求すればするほど奥深い。創造の領域を格段に展開してくれる。この世の未知を解き明かす事こそ我が宿願。神の言う無欲な世界など退屈過ぎて欠伸が出るわ。それでお前はこの後、どうするつもりだ。はっ、黒猫商会としましてはこのまま傍観を決め込もうかと。あれは必ずや争いの種になります。放っておけば綺麗な死の花を咲かせる事でしょう。
公開:18/05/23 18:59
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