連続小説 三つの願い

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あちらの女性は誰ですか。ああ、あのお方は我がカステリーナ王国の第一王女サーヤ姫だ。お前の様な下賤な吟遊詩人には手の届かぬ高嶺の花だ。無駄な努力は考えず諦めろ。サーヤ姫。何と美しい名だ。ああ、せめて一度で良い、あなたと話す事が出来ないものか。お兄さん、お困りの様ですね。お前は。見ての通り猫です。ただし、そこら辺にいる猫とは一味違う。黒猫商会の営業部長、ミサで御座います。以後、お見知りおきを。そんなお前が私に何の用だ。くくく、焦らずとも良い。私どもは様々な魔道具を取り扱っております。お客様にはこちらの商品が宜しいかと。これは。月のオルゴール。蓋を開ければ月の聖霊が現れ、願いを叶えてくれます。真か、それは素晴らしい。これを頂くよ。有難うございます。ニヤリ。馬鹿な奴だ。欠陥品と知らずに。月の聖霊は治癒と死を司る者。扱いを誤ればとんでもない事になると言うのに。まあ、お蔭で商品が完売できた。ふふふ
公開:18/05/23 18:58

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