連続小説 三つの願い

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すまない、僕と別れてくれないか。セリーヌ。どうしてですの。私たちはあれほど愛し合った仲ではありませんか。その通りだ。その通りなのだが。僕も先日まで知らなかったのだ。どうやら僕は生まれながらにして重い十字架を背負っているらしい。それは辛く厳しい道のりになるだろう。ですからあなたとは今後永久に結ばれる事はないのです。あなたにどんな被害が及ぶとも限らない。ああ、そんな事を仰らないで。アリエス。重い十字架であれば私が半分肩代わりしましょう。あなたが負担に感じない様に。そんな、あなたに迷惑を掛けられません。あなたが泣き悲しむ姿など私は見たくないのです。僕の事は忘れてくれ。君の記憶から。いいえ、忘れません。あなたと私が共に築いた思い出はそう簡単に消滅しませんわ。私、いつまでもあなたの事を待ち続けます。私がお婆さんになっても。いつの日かあなたが私の元へ戻ってくる日を信じ、楽しみにお待ちしております。
公開:18/05/23 18:54

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