連続小説 三つの願い

0
112

地下牢にて これは、これは、我が愚弟、カルロス王子、久しいな。兄上、これはどういうおつもりですか。王族を牢屋に放り込むなど前代未聞だ。何かの間違いではありませんか。戯けた事を申せ。お前が罪人だからに決まっておろう。私のやり方に反対し、民衆を焚きつけ、革命を起こそうとした。これは国家転覆の罪である。お前がこうして牢屋に入っているのはその首謀者がお前だからだ。そんな、信じて下さい。私が兄上に逆らうはずがありません。私もお前が首謀者だとは信じたくはなかったよ。でも、お前が犯人だと多くの大臣が証言している。兄上、聞いて下さい。俺は何者かに嵌められたのだ。聞く耳もたん。もう、お前に会えないと思うと淋しいよ。兄上。さらばだ。おお、神よ。私はどうしたら良いのでしょう。あなたならば私が潔白であるとご存知のはずです。何故にあなたは沈黙を守られるのですか。謂れなき罪を私に被せた大臣たちが憎い。兄上、何故に。
公開:18/05/23 18:52

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容