連続小説 三つの願い

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ああ、あなたはまるで氷の檻に閉ざされた茨の姫。近づく者を皆、凍らせ、容赦なくその茨の棘で傷付ける。あなたは心の底では死を恐れている。だからあなたは誰も近づけようとしない。触れれば誰かを傷付けてしまうから。私がそんなあなたに掛けられた呪いを解きましょう。そうすればあなたはこの悪夢から目覚められる。私があなたの氷の茨を溶かす太陽になるのです。呪いが解ければあなたはまた皆の前に綺麗な薔薇の花を咲かせられる。御身は王家に咲く美しき一輪の薔薇。傷付くことを恐れてはいけません。ああ、そうだ、私は夢から目覚める事を恐れていた。目覚めればもっとひどい現実が待っているから。私は幸せが得られるチャンスを逃しているのかもしれない。でも私、夢を見ていたわ。愛が全てだと。神は許し給うと。私、どこかであの人の事を待ち続けていたわ。あの人の帰りを。愚かな幻。あの人はもう二度と帰らないのに。
公開:18/05/23 21:03

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