連続小説 三つの願い

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黒騎士の正体は私です、お姉様。まさか、マーサが。黙っていてごめんなさい。嘘でしょ。あの噂の黒騎士があなただったなんて。信じられない。私の知っているあなたはもっと清楚で可憐な女性であったはず。まして自ら進んで争いごとに参入するなど。一体、あなたは誰を庇っているのですか。(アリエス様、私があなたの身代わりをしている今のうちに早く遠くへお逃げて下さい。今ならば衛兵もこちらに集中し、警備も手薄なはずです)私は妹と言えど容赦はしませんよ。待て、その者を離せ。私が本物の黒騎士だ。ああ、なぜ、戻って来たのです。君をそのままにして逃げる事など僕には到底出来ないよ。言っただろ。死ぬ時は君と一緒だと。ああ、何と言う・・・。それに比べ、神よ、あなたは何と残酷なのでしょう。腹違いと言え、兄弟同士で殺し合わねばならぬとは。あなたは一体何をお考えで。血の生贄を欲するのであれば私が代わりましょう。何故に彼らなのですか。
公開:18/05/23 21:01

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