連続小説 三つの願い

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サーヤの目の前に白馬に乗った黒騎士が現れた。そんな、あの男は死んだはず。事故だったとはいえ、私の懐剣で心蔵を貫き、確かに刺し殺した。だとすればあの黒騎士は別人と言う事になる。ならば一体、誰があの中に入っている。単身で城内に乗り込んで来るとはいい度胸です。あなたは何者です。さあ、早く仰い。黒騎士は何も言わず、馬の踵を返すと別の方向へと駆けた。逃げたぞ、追え、追え。黒騎士は並みいる衛兵を掻き分け、城内へと馬を走らせる。サーヤも近くにいる馬の背中に跨り、馬の手綱をギュッと握って走らせた。そして同時に思考を巡らせる。まさかリーが生きていた。いや、そんなはずはないわ。でも、どうやって。黒騎士は次第に袋小路へと誘い込まれた。ふふ、追い詰めたわ。もうあなたには逃げ場はない。さあ、その黒い兜を脱いで正体を見せなさい。黒騎士は覚悟を決めたと見え、馬からゆっくり降り、その黒い兜を脱いだ。あなたは・・・。
公開:18/05/23 20:59

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