連続小説 三つの願い

0
113

お姉様、どうしたのです。そんな深刻な顔をなさって。たいした事ではないのです。ええ、たいした事では。まさか、あの事を気に病んでいるのですか。あれは事故ですよ。そう、大臣が亡くなったのは偶然の事故。呪いなどと言う物がこの世にあるはずがありません。いいえ、そんなことはありませんよ、マーサ。お父様はこれまでに大勢の人間を殺めて来ました。これは彼らが死の間際に残した呪い。その証拠に私の周りでは次々に誰かが亡くなっていく。この城にはもうその身を呈して私を守護する者などおりません。皆、私を恐れているのです。口では敬愛する振りをしているが心の中ではどう思っているやら。所詮、私はお飾りの姫。お父様が亡き後は私など・・。そんな事はありませんわ、だってお姉様には・・。マーサ、私には何だと言うのです。いいえ、何でもありません。そう。ああ、神よ。何故にこのような仕打ちを。お姉様が一体、何をしたと言うのでしょう。
公開:18/05/23 19:17

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容