連続小説 三つの願い
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ははは、言ったでしょ。私が偽りの黒騎士を演じていたと。あなたはそんな事にも気付かず長い間、私に騙されていたのです。私はあなたの事を信じていたのに。信じる。ははは、これは愉快。君が信じていたのは僕のうわべの部分だけさ。僕が作り上げた勇敢な騎士と言う肩書をね。やはり、あなたには僕が心の底で何を考えているかまでは見抜けなかった様だ。私とは違って王室と言う空間で甘やかされて育ったあなたには気付きようが無かっただろうがね。それにしても寝言で少女の様に黒騎士様、黒騎士様と言っているのを聞いた時は噴き出して笑ってしまいそうでした。おのれ、言わせておけば。私を侮辱するのですか。その言動は国家への反逆と見なしますよ。ははは、あなたは知らないようだ。その頼みの綱の王が今、どうなっているのか。今頃は城中でクーデターが起こっているはずです。見えませんか、城に火の手が上がっているのが。
公開:18/05/23 19:14
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