バロメーター
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私の職業は「バロメーター」レストランで働いている。
ある見習いが言う「シェフ、このハンバーグのタネはこのくらいの柔らかさでいいですか」
シェフが言う「馬鹿野郎、何度も同じことを聞くな!バロメーターの右二の腕だろうが!」
そして、見習いたちは私の二の腕を揉む。「ねぇ、これ同じくらいかな」「え?どれどれ」「うーん、もうちょい柔らかいんじゃない?腕の方が」「めっちゃ柔らかいですね」一向に終わらない。
「あの、もういいですかね!作業止まってますけど?」止む気配の無い押し問答ならぬ揉み問答につい、大きな声を出してしまった。
するとヘッドシェフが声高らかにこう言った。
「いいか!今の声の大きさだ!厨房からのお客様への『ありがとうございました』は、今のバロメーターの声の大きさでいけよ!」
見習いたちは元気よく返事をし、忙しく仕事に戻った。
今夜も店はフル回転に忙しい。私ももちろん忙しい。
ある見習いが言う「シェフ、このハンバーグのタネはこのくらいの柔らかさでいいですか」
シェフが言う「馬鹿野郎、何度も同じことを聞くな!バロメーターの右二の腕だろうが!」
そして、見習いたちは私の二の腕を揉む。「ねぇ、これ同じくらいかな」「え?どれどれ」「うーん、もうちょい柔らかいんじゃない?腕の方が」「めっちゃ柔らかいですね」一向に終わらない。
「あの、もういいですかね!作業止まってますけど?」止む気配の無い押し問答ならぬ揉み問答につい、大きな声を出してしまった。
するとヘッドシェフが声高らかにこう言った。
「いいか!今の声の大きさだ!厨房からのお客様への『ありがとうございました』は、今のバロメーターの声の大きさでいけよ!」
見習いたちは元気よく返事をし、忙しく仕事に戻った。
今夜も店はフル回転に忙しい。私ももちろん忙しい。
公開:18/05/22 20:28
にそいち なながつ
まずは100話お話を作るのが目標です。
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