三つの願い

昔々、ある村に三人の少女が住んでいました。
正直者の紗香、頭脳派の真美子、ちょっとお馬鹿な理恵です。ある日、三人が仲良く食事をしていると旅人が話す声が聞こえてきました。これは噂なんだけどさ、あの山には願い事を叶えてくれる狐が住んでいるらしいぞ。三人はそれを聞き、目と目を合わせました。口に出さずとも考えている事は想像できます。願い事を叶えて貰おうというのでしょう。翌日、三人は鞄に弁当と水筒を入れ、山の中へ探検に出かけました。途中で猪に追いかけられたり、迷子になったりもしました。それでも、何とかお探しの狐を見つける事に成功しました。何の用だ。お願いを聞いて下さい。良かろう。言うが良い。紗香は病気の母を助けて下さいとお願いしました。真美子は村一番のお金持ちにしてくれと願いました。理恵は面白そうだから皆を狐にしてくださいと願いました。勿論、願いは叶いました。でも、幸せかどうかは誰にも分かりません