三つの願い

今日は七夕です。みんなそれぞれの願いを短冊に書き、笹にぶら下げています。眼下のあの家の家族は何を願ったのかな。ちょっと見てみよう。彦星と織姫はいくつかある短冊のうち三つを手に取り、読んでみた。彦星と織姫がもっと会えますように。ははあ、これはこの家の子供が書いた物だな。そうだね。もっと会えたら僕達も嬉しいよ。無邪気だな。どれ、次の願いは何かな。ゴルフバッグが欲しい、部長に昇進できます様に、女の子にモテます様に。ははあ、これはこの家の主人だな。実に強欲な奴の様だ。こんな奴の願いは絶対に叶えたくないね。さて、最後の願いは何かな。私の事を裏切って不倫をした主人なんて呪われますように。うわっ、これは奥さんの願いだな。重いわぁ。ああやって楽しそうな振りをしているけど意外と仮面夫婦なんだね。織姫はどう思う。そうね、駄目な男は呪われた方が良いと思うわ。例えば遠距離を理由にして手紙すら送って来ない男とか。