三つの願い

まだ肌寒い冬の朝、理恵は日課にしている犬の散歩をしていた。いや～今日も良い天気ね。何か良い事がありそう。シルビアもそう思うよね。ワンワン。リエは新鮮な空気を思いっきり吸い込み、深呼吸をした。あれっ、通りの奥に不思議なお店を見かけた。店頭の入口には張り紙がしてあった。「魔人、始めました」。どういう事。こんな所にお店何てあったかしら。理恵はおかしいなと思いながらも好奇心には勝てず、お店の中に入っていった。御免ください。誰かいますか。はい、何か御用ですか。店頭の張り紙を見たのですが、あれは何ですか。ああ、あれですか。主人が昨日から始めたんです。何でも旅先で不思議な水晶を見つけたとかで。へえ、面白そうですね。具体的に何をするのですか。そうね、端的に言えば、何でも屋かしら。どんな面倒臭いお願いでも解決するの。でもその代わりに対価を頂くけどね。お嬢さん、今なら開店サービスで三つまでお願いを聞くわよ。