三つの願い

昔々、出雲山の頂上にそれは大きな神社が建っておりました
毎年、秋になると神社には地方からいろんな神様が集まり宴会を催しています
今年は大黒様が幹事でした
これは皆さん、お元気で何より、それでは今年も宴会を始めるとしましょう
ガラン、ガラン
外から鈴の音が鳴りました
誰じゃ、空気を読まん奴は。はあ～、また、あの婆さんか。願い事をするのは構わんが一日に何度も呼び出されては敵わん。どれ、願い事を叶えてゆっくり宴会に戻るとするか。婆さんや、願い事は何だ。三つまで叶えてやろう
本当ですか。ああ、神様は嘘をつかん
それじゃ、最近、足腰が悪くなったので若者の様にして貰えんか
いいだろう。次の願いは何だ
そうだね、歯が悪くて上手く喋れないので活舌を良くして貰えんか
いいだろう。最後の願いは何だ
目が悪いので良くして下さい
いいだろう
神様、有難うございます。これで明日からもっとここに来てお願いが出来ます。