もうひとつのサンドウィッチ

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ここは、中世イギリス
サンドウィッチ伯爵の居城
人々が集い、夜な夜なカードゲームに興じる

あの有名なサンドウィッチが生まれた瞬間
もうひとつの食べ物が生まれそうになったことは、あまり知られていない

伯爵は、コックを呼びパンで薄く切った牛肉を挟ませた

皆にそれを振る舞うと
「どうだ、肉とパンを片手で食べられて便利だろ」
ドヤ顔の伯爵

一緒にカードをしていたものたちは不服そう
そう、みな負けず嫌いなのだ

ある貴族がコックを呼ぶ
「スプーンの形のパンを焼き、温かいスープと一緒に持って参れ」

暫くすると温かいスープとパンのスプーンが
運ばれてきた

自信たっぷりに
「さぁ、温かいスープとパンを片手で召し上がれ」
と皆に勧めた

最初の一口で歓声が上がった
「温かいスープとパンが一緒に食べれるなんて凄く便利ですね」
と・・

二口目からだれも喋らなかった
その他
公開:18/05/23 13:55
更新:18/05/23 14:08

海山 道三

ペンネーム
海山 道三
みやま どうさん

「文章千本ノック」の一環で超ショートショートを投稿させていただきます

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