充電ベンチ

3
90

疲れた。このところ残業続きで毎晩終電帰宅だ。今日こそ家までたどり着けそうにない。お腹もすいたし、足は棒みたいにだるいし、家に帰ったら秒で朝が来てそしたらまたここ(駅)に帰ってこないといけない。そう思うともう一歩も動く気になれなかった。

見渡すと私と同じように帰宅目前にして、力尽きた人たちが駅前のベンチにうなだれるようにして座っていた。

「わかりますよ、みなさん。」

一度座ったらもう二度と立ち上がれない気がしていた。が、我慢できず私も座ってしまった。すると、隣のベンチで「ポン」という音が鳴り、男性がすくっと立ち上がった。それからあちこちのベンチがポンポンと鳴り、人々がまるで充電されたように元気に立ち上がり歩き出す。

そういえば、私も何だかさっきより元気になっているような…。

まぁ、いい。もしも本当に充電されているなら、私も自然と立ち上がるだろう。とりあえず星空をつまみに、ビールだ。
公開:18/05/21 22:56

二十一 七月

にそいち なづき

まずは100話お話を作るのが目標です。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容