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僕の彼女は整理整頓が苦手だ。
といっても、要不要の区別をすることができないわけではない。問題なのは、整頓の方だ。
彼女は部屋の中にあるものをバベルの塔のごとくうずたかく積み上げては、無意識になんでもかんでもその間に挟み込んでしまう癖があった。
おかげで彼女の家では次々にたくさんのものが消失してはおかしなところから現れる。
あるときは洗濯物の間から折りたたみ傘が、またあるときは郵便物の間からハンカチが、また別のときには雑誌の間からベーコンやハムが見つかった。
さすがの彼女も食べ物を挟みはじめたのに懲りたのか、今まで以上に整頓を意識するようになり、僕は献身的にそれをサポートした。
そして数ヶ月に渡る二人三脚での特訓の末、ようやく彼女は癖の克服に成功した。
「ありがとう。私、カズくんのおかげで変われたみたい」
そう晴れやかに笑った彼女の振る舞ってくれたサンドイッチには、僕のパンツが挟まっていた。
といっても、要不要の区別をすることができないわけではない。問題なのは、整頓の方だ。
彼女は部屋の中にあるものをバベルの塔のごとくうずたかく積み上げては、無意識になんでもかんでもその間に挟み込んでしまう癖があった。
おかげで彼女の家では次々にたくさんのものが消失してはおかしなところから現れる。
あるときは洗濯物の間から折りたたみ傘が、またあるときは郵便物の間からハンカチが、また別のときには雑誌の間からベーコンやハムが見つかった。
さすがの彼女も食べ物を挟みはじめたのに懲りたのか、今まで以上に整頓を意識するようになり、僕は献身的にそれをサポートした。
そして数ヶ月に渡る二人三脚での特訓の末、ようやく彼女は癖の克服に成功した。
「ありがとう。私、カズくんのおかげで変われたみたい」
そう晴れやかに笑った彼女の振る舞ってくれたサンドイッチには、僕のパンツが挟まっていた。
その他
公開:18/05/21 20:43
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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