断捨離ロス

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私のゴミ屋敷かのような部屋は無駄で溢れている
あらゆる無駄は私を穏やかにさせたし守られた空間だと思っていた

近年ものを減らす生活が流行り無駄を本当に無駄だと思われるようになっていった
私の母はそんな生活に取り憑かれている断捨離女だ

だから母は私の部屋を訪れるたびにいらないと思うものを捨てていく
もう着れない洋服も旅行先で買ったガラクタも捨てられてしまってからはそれがなぜ大切だったかわからなくなる
もしかしたらその捨てたものと同時に私の記憶からも消えてしまうのかもしれない

少しずつ少しずつ捨てられていく無駄によって心が軽くなったような気持ちさえする
そんな私を見て母は捨てることを辞めなかった


スッキリした部屋に思い出もない思い出すものもない無駄に守られていない私にはもう私という記憶がない
母のことも思い出せないし綺麗すぎる部屋に私はまた新しい無駄を集めるしか生きていけないと気づいた
その他
公開:18/05/21 13:33

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