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今、『海読(かいどく)』にハマっている。
『海読』とは海で読書をすることで、特に推理小説が多いので『解読』とかけたネーミングらしい。
海で読書といっても海辺で読むのではなくスキューバーダイビングに近い。
序章部分を陸地や船上で読んだら海に潜って、ゆらゆらと漂う本を見つけながら続きを読んでいくのだ。
これが探偵と一緒に証拠を探したり暗号を解いたりしているようで面白い。
難易度が上がると潜る技術も必要なので読了すると達成感もある。

今回は久々なので難易度が高いものは避け、好きな作品を再読することにした。
本棚から序章を手に取り、受付に会員証と共に提示する。
「こちらは上級者向けなので読了は難しいかと思いますが……」
内容を確認したスタッフの言葉に驚いて、前に読んだ旨を伝えるが「最新の改訂版なので」と言う。
首を傾げる僕にスタッフは続けて言った。
「最深の海底まで潜らないといけないんです」
その他
公開:18/05/21 11:22

天宵 遥

言葉遊びや少し不思議なお話が好きです。
SSGプチコン1「花」優秀賞入賞

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