新しい家
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ある夜くらげのところにうさぎが訪ねてきて、あなたに引っ越していいかと言いました。さっきまで頭に空気だんごをかぶって月で暮らしていたといううさぎは、今はおおきな泡をかぶっています。こうすると酸素がない場所でも呼吸できるのです。
「ぼくに引っ越す? でも、どうして?」
くらげが問い返すと、うさぎはため息をひとつ。
「だってお月さまったら、同じところばかり回っているの。見える景色もいつも同じ。わたしすっかり飽きちゃって、相談したの。月に似ていて、だけどいろんな景色を見られる家に引っ越したいってね。そしたら、あなたを紹介された」
「誰に?」
「もちろん、ヤドカリよ」
そう聞いて、くらげはうさぎを歓迎しようと決めました。世界でいちばん家のことにくわしいヤドカリがおすすめしたのなら、自分はうさぎにぴったりの家なのです。
「じゃあ、どうぞ」
いつでもあちこち漂っている、確かにぼくは、海の月。
「ぼくに引っ越す? でも、どうして?」
くらげが問い返すと、うさぎはため息をひとつ。
「だってお月さまったら、同じところばかり回っているの。見える景色もいつも同じ。わたしすっかり飽きちゃって、相談したの。月に似ていて、だけどいろんな景色を見られる家に引っ越したいってね。そしたら、あなたを紹介された」
「誰に?」
「もちろん、ヤドカリよ」
そう聞いて、くらげはうさぎを歓迎しようと決めました。世界でいちばん家のことにくわしいヤドカリがおすすめしたのなら、自分はうさぎにぴったりの家なのです。
「じゃあ、どうぞ」
いつでもあちこち漂っている、確かにぼくは、海の月。
ファンタジー
公開:18/05/21 06:52
気の向くままに。
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