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「仕事スイッチ?」
「あなた、最近仕事で頭が一杯でゆっくり休めていないでしょ」
聞くと、スイッチで仕事のオンオフが簡単に切り替えられると言うのだ。妻の勧めもあって私はさっそくスイッチをつけてもらった。ただスイッチが心臓の裏、つまり、背中のちょうど手が届かない所にあるため切り替えるには妻の助けが必要だった。
出勤前にスイッチを入れてもらって、帰ったら切ってもらう。ただそれだけで仕事が捗り家の中でもリラックスできた。
パチンパチン
帰宅して妻にスイッチを切ってもらうと、それだけで体が軽くなる。
「じゃあご飯作るよ」
最近の私は晩御飯を作るのが楽しかった。休日は掃除したり洗濯したり。家事をするのがいい気分転換になっていた。
ある朝の事。
私は満員電車の中で不意に背中に衝撃を受けた。
パチン
しまった。スイッチが!
いや大丈夫。まだ私は仕事モードだ。
でも変だな。
無性に家事がしたくてたまらない。
SF
公開:18/05/22 01:01
更新:18/05/22 01:03

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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