最後の晩餐

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末期ガンだと診断され、ホスピスへ入所することなった

幸いなことに痛みはない
余命は、知らされないそうだ
その日が解ると食事がのどを通らなくなるらしい

ここでの楽しみは食事だ
料理長は、京都で修行をした本格的な料理人だそうだ
毎回のメニューは、シリトリになっているらしい
一風変わった趣向だ

最初だけ聞いてくれるリクエスト
「からあげ」
最初から小さく切り分けてあります

こうなると次のメニューが楽しみだ
難しかったでしょう「げそ」
変化球で「ソーキそば」
なんとサプライズ!「バースデーケーキ」

シリトリのルールでいくと”ん”で終わるとどうなるのだろう?
もしかして・・

うどんに揚げ
揚げは、甘くなく小さく刻んであります

きっと最後の晩餐なのでしょう
落ち込んでいると
翌日「ねぎとろ」が運ばれてきました

京都では「刻みきつね」と呼ぶらしい

もうしばらく楽しめそうだ
その他
公開:18/05/20 17:07
更新:18/05/22 16:47

海山 道三

ペンネーム
海山 道三
みやま どうさん

「文章千本ノック」の一環で超ショートショートを投稿させていただきます

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