波模様のスイカ
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夏休み、親戚みんなで海に来た。
砂浜で遊んでいると、純子姉ちゃんが僕たちを呼ぶ声がした。
「スイカ割りするよ!」
用意された沢山のスイカの中に、1つだけ横縞のものがあった。手に取ると、模様は波のように動いていた。
従兄弟の賢ちゃんは「うわー!このスイカ珍しいー!おれが割るー!」と言いながら、僕から横縞のスイカを奪い取り、ブルーシートに向かって走り出した。
賢ちゃんが竹刀を振り下ろすと、鈍い音と共に水が吹き出し、大きな波が僕たちを襲った。僕は足元を掬われた。慌ててもがくと、しょっぱい水が鼻と口に流れ込み、喉の奥がツンとした。やがて純子姉ちゃんの姿が見えなくなり、僕の意識も遠のいていった。
気がつくと、全員が元の砂浜にいた。しかし、横縞のスイカだけは跡形もなくなっていた。
みんなが言葉を失っている中で、目隠しを取った賢ちゃんは「おれが割ったスイカどこに隠したんだよー!」と怒っていた。
砂浜で遊んでいると、純子姉ちゃんが僕たちを呼ぶ声がした。
「スイカ割りするよ!」
用意された沢山のスイカの中に、1つだけ横縞のものがあった。手に取ると、模様は波のように動いていた。
従兄弟の賢ちゃんは「うわー!このスイカ珍しいー!おれが割るー!」と言いながら、僕から横縞のスイカを奪い取り、ブルーシートに向かって走り出した。
賢ちゃんが竹刀を振り下ろすと、鈍い音と共に水が吹き出し、大きな波が僕たちを襲った。僕は足元を掬われた。慌ててもがくと、しょっぱい水が鼻と口に流れ込み、喉の奥がツンとした。やがて純子姉ちゃんの姿が見えなくなり、僕の意識も遠のいていった。
気がつくと、全員が元の砂浜にいた。しかし、横縞のスイカだけは跡形もなくなっていた。
みんなが言葉を失っている中で、目隠しを取った賢ちゃんは「おれが割ったスイカどこに隠したんだよー!」と怒っていた。
その他
公開:18/05/20 23:00
更新:18/05/31 18:38
更新:18/05/31 18:38
北海道出身です。
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