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「別居中なの」
彼女の言葉に私は驚く。少し前まで新婚でラブラブだったはずだ。
「彼が私と結婚した途端に仕事辞めちゃったのよ。真面目が取り柄みたいな人だったから、仕事一筋から私一筋に変わっちゃったみたいで。仕事より私のほうが大切なんだってさ」
ノロケを聞かされる覚悟はしていたが相変わらずだ。私が彼を狙っていた事をこのお嬢様は知らない。
「パパがそれを聞いて激怒しちゃって」
「パパって確か…」
「神様。で無理矢理別居させられて、彼は私に会うために必死で働いてるのよ。でも、旦那の給料は私の銀行口座に振り込まれるし。旦那元気で留守がいいってホントよね。それにね、たまに会うから逆に燃えるっていうか、これが長続きするコツかなって今は思ってる」
「…そう…」
「デネブも早くいい人見つけなよ」
彼はこの女と結婚して幸せなんだろうか…。
私だったらもっと…。
いや、夏の大三角関係に戻るのは、もうこりごりだ。
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公開:18/05/19 10:26

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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