海盗

2
116

「×日正午、 宝石商の一番美しいアクアマリンを頂戴します。どうか邪魔立てせぬよう。シームーン」

今をときめく怪盗シームーン。長身に深いスリットの入った黄色いロングドレスを着た、鮮やかな盗みの技術を持つ怪盗だ。そんな怪盗が本州から離れた島に宝石を盗みに来るなんて誰が想像できたろう。島の警察署は予告状で大騒ぎだ。予告状通り休暇でビーチ付き別荘へ来た宝石商が、アクアマリンを所持していたので、警察は宝石商を保護した。厳重な警備と野次馬となった島民が警察署で怪盗を待ち受けた。しかし日付を過ぎても怪盗は現れなかった。

×日正午。
「なんと美しい…」
怪盗はたった一人砂浜で宝石に見惚れていた。太陽光が底を照らすほど透き通っていた。
「この素晴らしい海を独占したバカンス。なんて贅沢なんだろう」
宝石商のプライベートビーチ。月が沈むまで彼は海を泳いだ。脱ぎ捨てたドレスが波に盗まれぷかぷかと浮かんだ。
ミステリー・推理
公開:18/05/19 10:00

砂塵

読んでいただきありがとうございます。
話のおもしろさ云々はひとまず置いといて、とりあえず一本完結させることを重視して書いてます。
朗読ラジオ「月の音色リスナー」です(^o^)/
低浮上中なのでコメント返し遅れるかもですが必ずお返しします。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容