シーグラス

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「ママ!貝殻に宝石が混じってた」
娘が砂浜で、すりガラスの欠片をみつけた。
「これは、シーグラスっていうの」
「シーグラス?」
「そう、これはね…」
欠片に触れると、それは突然強い光を放った。
目を開けると娘はいない。見渡すと
、遠くに少女がいた。
少女は泣いていた。砕けて尖ったガラスを両手にのせて。
…あれは私?そうだ。 友情、恋や進路に悩み、よく浜辺で泣いていた、15歳の私だ。
思わず少女に駆け寄り、手を伸ばす。途端、再び光に襲われ目を閉じた。

「…ママ?」
気がつくと、娘が答えを待ちわびていた。私は答えた。
「割れたガラスの欠片がね、海の中で色んなものに揉まれて、まあるくなるの。長い時間をかけて、少しずつ」
「…きれい」

シーグラスを、娘が大事そうにポーチにしまう。 どんな過去も未来も、時を経て美しく。愛しい我が子の成長を想い、私はそっと頭ををなでた。
青春
公開:18/05/19 00:11
更新:18/05/19 11:22

あおい( 北海道 )

結婚し、幸せになりを潜めて3年。
再び書きたくて登場。
多分そのうちまた消える。

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