短冊に込めた

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『大好きなあの人と、話せますように』
これは、私が短冊に小さな丸文字で書き、美術室に置かれているこじんまりとした笹に結んだ物だった。勢いで書いてしまった為か、気恥ずかしさが込み寄せる。小走りで美術室から飛び出た、その時だった。

勢い良く美術室から飛び出てきた彼女と肩がぶつかった。驚いたような顔から一変。彼女は顔を赤くして俯き、また一変してなんだか申し訳なさそうに目線を泳がせている。
「ごめんなさい、大丈夫でしたか?」
先に開いたのは僕の方で、その問いかけに彼女は小さく大丈夫です、と答えた。
数秒の沈黙が流れた後、彼女は何かを振り切るように話し始める。
「あのっ!ちょっとだけ、お話しませんか?」
僕はああ、こんな奇跡があるのだろうか。と心の中で呟いた。
彼女も又、同じ思いを抱いていたと告げられるのは、数年後のお話。
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公開:18/05/19 21:42

GaNTai( じゃぱん )

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