憑依
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友達に誘われて行った秋祭り。ちょっと怪しげな屋台で狐と狸のお面を売っていた。
「狐と狸、どっちがいい?」私は狐を選んだ。友達は狸。お祭りを見ている間、頭に着けていたけれど、家に帰り箪笥の上に置いた後、その存在を忘れた。
年末の大掃除。箪笥の上で埃をかぶっている狐のお面を見つけた。ちょうど掃除にも飽きてきたところだったので、お面をかぶってみた。
そのとたん、無性に手袋を買いに行きたくなった。
手袋。手袋を買わなくちゃ。
「こちらの手を出して『この手に合った手袋を頂戴』って言うのよ」
どこからか声が聞こえた。
財布を握りしめ玄関を出ようとしたとき、母に呼び止められた。
「どこ行くの?何、そんなお面をかぶって。逃亡は許さないわよ」そう言いながら、お面を引きはがされた。すると憑きものが落ちたように手袋のことを忘れた。
一方狸のお面を買った友達は、急に柴を背負いたくなって困ったと言っていた。
「狐と狸、どっちがいい?」私は狐を選んだ。友達は狸。お祭りを見ている間、頭に着けていたけれど、家に帰り箪笥の上に置いた後、その存在を忘れた。
年末の大掃除。箪笥の上で埃をかぶっている狐のお面を見つけた。ちょうど掃除にも飽きてきたところだったので、お面をかぶってみた。
そのとたん、無性に手袋を買いに行きたくなった。
手袋。手袋を買わなくちゃ。
「こちらの手を出して『この手に合った手袋を頂戴』って言うのよ」
どこからか声が聞こえた。
財布を握りしめ玄関を出ようとしたとき、母に呼び止められた。
「どこ行くの?何、そんなお面をかぶって。逃亡は許さないわよ」そう言いながら、お面を引きはがされた。すると憑きものが落ちたように手袋のことを忘れた。
一方狸のお面を買った友達は、急に柴を背負いたくなって困ったと言っていた。
その他
公開:18/05/19 21:35
更新:18/05/19 22:05
更新:18/05/19 22:05
文章を書くのが大好きです。
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