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 小さな野球場で私はひとり穴を掘っている。これが私の墓になるのだろうか。月も星も眠る深夜、シャベルが指を凍らせた。ふと誰かに呼ばれた気がして手を止める。穴の中から顔が現れた。それは昨日の電車ですれ違った男だった。「お手洗いをお借りしてもよろしいですか?」と言うので「お手洗いは隣村と合併しました」と答えた。男は悲しんだ。
 壊れた車輪が足元に転がる女性と目が合った。微笑むこともなく彼女は私の首を撫でた。私の首は煙突のように煉瓦で出来ていた。ツンと香るのは私の肉。彼女は消え去り、私は太陽で焼かれる。今、頭にガーリックが乗せられた。いつまでもここにはいられない。
 屋上に慌てていくと友人が大勢集まってパーティをやっていた。風船とメロンを空に飛ばして騒ぎ狂い踊る。女性は服を脱ぎ、パンツを道路に投げ捨てた。人形そっくりだ。不安になった私は自分の顔に触れた。私もまた人形であった。メロンは赤かった。
 
その他
公開:18/02/21 01:03
ショートショート10番勝負

だんご( 石の下 )

だんごむしのだんごちゃん。まるくなって空を見つげる。
ツイッター @Fdng7

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