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飽食の時代がやってきた。人類みんな好きなだけなんでも食べられる世の中だ。
すっかり満ち足りた人類は、すっかり退屈してしまった。つまらない咀嚼作業。食事は娯楽としての価値すら失った。
ある日、一人の男がラムネのビー玉を食べた。うっかり飲み込んだんじゃなく、ボリボリかじった。
当然周りの人は驚いた。気が狂ったのかと思い病院をすすめた。でも男は平気な顔して、「割とイケるよこれ」とラムネのビー玉をすすめた。
それから人類は、いろんなものを食べはじめた。
お弁当に入ってる緑のギザギザを、食パンの袋を留めるアレを、ちびたえんぴつを、泥まみれのスコップを、通帳を、上司のメガネを、人の家のカーテンを、消防車を、入道雲を、お日さまの光を、潮風を、小惑星を。
やがて、誰も思いつかないようなものを食べた人が持て囃されるようになった。
飽食の時代がやってきた。人類みんな好きなだけなんでも食べられる世の中だ。
すっかり満ち足りた人類は、すっかり退屈してしまった。つまらない咀嚼作業。食事は娯楽としての価値すら失った。
ある日、一人の男がラムネのビー玉を食べた。うっかり飲み込んだんじゃなく、ボリボリかじった。
当然周りの人は驚いた。気が狂ったのかと思い病院をすすめた。でも男は平気な顔して、「割とイケるよこれ」とラムネのビー玉をすすめた。
それから人類は、いろんなものを食べはじめた。
お弁当に入ってる緑のギザギザを、食パンの袋を留めるアレを、ちびたえんぴつを、泥まみれのスコップを、通帳を、上司のメガネを、人の家のカーテンを、消防車を、入道雲を、お日さまの光を、潮風を、小惑星を。
やがて、誰も思いつかないようなものを食べた人が持て囃されるようになった。
飽食の時代がやってきた。人類みんな好きなだけなんでも食べられる世の中だ。
SF
公開:18/02/19 13:19
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